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LANTRONIX社XPort関連情報

あくまでも参考情報ですので、動作を保障しているわけではありません。実施に際しては、ご自身の責任で行って頂きますようお願い致します。


新しいファームウェア(V6.x系)とDeviceInstaller(V4.1系)の概要

2006年3月に、XPort用の新しい標準ファームウェアと、それに対応したXPortの新しいDeviceInstallerがリリースされました。

新しいファームウェアでは、いくつかのバグフィックスとXPortの発売以降に増えた新機種で改良されてきた機能を取り込んで利用し易くなり、バージョン番号も従来までのV1.xから、6.x.x.xの形式に一新されました。(詳しくはファームウェア・パッケージ中のリリースノートを参照して下さい)

またWebブラウザからのXPort設定をサポートする「WEBマネージャ」は、従来のJAVAから、DHTML/JavaScriptで全ての設定ができるように全面的に書き直され、パスワード設定も可能になりました。そのため、ブラウザからXPortの設定をするためにJAVAをインストールする必要が無くなりました。

新しいファームウェアは、更新時のファームウェアのバックアップ機能等を持つために、容量が従来の64KBから2倍の128KBに増えたため、利用するためにはいくつかの注意が必要です。ここでは、LANTRONIX社のサイトにあるFAQのページ「A Special Firmware Upgrade Process For XPort Firmware Version 6.1.0.0」を基にして、注意点を以下に簡単にまとめました。
  • 従来はWEBコンテンツ用に最大7ブロック(1ブロックは64KB)のFlashROMが利用できましたが、6.1.0.0以降の新しい標準ファームウェアを利用した場合、ユーザが使えるWEBコンテンツ用の最大ブロック数は6個になります。さらに、この最新ファームウェアに対応した新しいWEBマネージャを使用する場合には、WEBマネージャが3ブロック分占有(従来は1ブロックだけ占有)するため、ユーザが使える領域は実質的に3ブロックになります。
  • 6.1.0.0以降のファームウェアをインストールしたXPortを扱うためには、基本的に4.0.0.0以降のDeviceInstallerの使用が推奨されています。
  • 今回のファームウェアの更新でLANTRONIX社が推奨するファームウェアのアップデート方法は、従来のようなDeviceInstallerを使用する方法ではなく、コマンドプロンプトでtftpを使用するという、少し面倒な方法です。
  • 一旦インストールした6.1.0.0以降のファームウェアを、V1.8の古いファームウェアに戻すことも可能ですが、やはりtftpを使用して行います
  • 新しいDeviceInstallerでは、(恐らくセキュリティ向上の目的で)単独でXPortを設定する機能が無くなりました。今までDeviceInstaller を使用していたXPortの詳細設定は、ブラウザ経由でXPortの「WEBマネージャ」のページにアクセスするか、telnetからの設定になります。
  • XPortの機能のうちtelnetからでは設定できない、入出力PINの定義設定(Configure)等を変更する場合には、あらかじめ「WEBマネージャ」をインストールしておいてWEBからの設定を有効にしておくか、一時的に従来の古いDeviceInstaller(3.6以前)をインストールして使用する必要があります。DeviceInstallerはバージョンを切り替えて使うことができず、常に上書きインストールをするため、新しいファームウェアで使用する場合には、設定後再度最新版のDeviceInstallerをインストールし直すといった作業が必要です。

最新の標準ファームウェアは、以下のLANTORONIXのサイトからダウンロード可能です。

LANTORONIXのダウンロード・サイト

2006年8月以降にメーカから出荷するXPortのファームウェアが順次、新ファームウェア(V6.1系)に変ります。新ファームウェアの注意点をまとめましたので、ご利用ください。

新しいファームウェア(V6.1.x.x)と新しいDevicieInstaller(V4.1)の注意点

インストールの準備

まず、必要なファイルをLANTRONIXのサイトからダウンロードします。

現在販売しているXPortの型番はXPort-03またはXPort-03Rで、これらの仕様は同じですが、従来販売していたXPort-01では内部仕様が違うため、異なるファームウェアを使用するので注意して下さい。以下に入手するソフトウェアのダウンロード先をまとめましたので、参照して下さい。

Comm Port Redirectorは、XPortのシリアルTCP/IP変換をPCから利用する場合に、シリアルポートを利用するアプリケーションに、XPortとのTCP/IP入出力をするために仮想COMポートを割り当てるソフトウェアです。2005年12月に新しく「Raw mode」と「reconnect」をサポートした最新版が出ているので、使う予定があれば、ついでにダウンロードして入手しておいた方がいいでしょう。

ファームウェアの入手先
バージョン URL
XPort-03/03R最新版(v6.x) ftp://ftp.lantronix.com/pub/XPort-03/
XPort-01用最新版(v6.x) ftp://ftp.lantronix.com/pub/XPort-01/
XPort-03用従来版(v1.x) ftp://ftp.lantronix.com/pub/old_rel/XPort-03/
XPort-01用従来版(v1.x) ftp://ftp.lantronix.com/pub/old_rel/XPort-01

DeviceInstallerの入手先
バージョン URL
XPort-01/03最新版(v4.x) ftp://ftp.lantronix.com/pub/DeviceInstaller/for_XPort/
XPort-01/03用従来版(v3.6) ftp://ftp.lantronix.com/pub/DeviceInstaller/v3.6/

Comm Port Redirectorの入手先
バージョン URL
XPort-01 / 03最新版(v4.x) ftp://ftp.lantronix.com/pub/redirector/

次にPC環境を確認します

インストールで使用するPCは、Microsoftの.NET Framework 1.1以降がインストールしてあるWindows 2000または、Windows XPを準備する必要があります。Windows 2000とWindows XP SP1以前の環境では、Windows Updateを利用して、.NET Framework 1.1をインストールしておいて下さい。なお、古いDeviceInstallerがインストールしてある場合には、自動的に上書きされますので、注意して下さい。


DeviceInstallerのインストール

  1. ファイルの展開

    ダウンロードした各ファイルを展開します。XPort-03_6_1_0_2.zip」と、DeviceInstaller「XPort_DeviceInstaller_4.1.0.3.zip」を、適当なディレクトリに展開します。この例ではそれぞれを、C:ドライブのXPORTディレクトリに、展開するものとします。

  2. インストール

    展開したXPort_DeviceInstaller_4.1.0.3の中に含まれるSetup.exeを実行して、DeviceInstallerのインストールを開始します。

     
    確認画面が表示されるので、「Next」をクリックして進みます。

    次にインストール先と利用者(自分だけか、マシンを利用する全員か)を聞いてきますので、必要があれば修正して、「Next」をクリックします。

    少しして確認画面が出ますので、「Next」でインストールを実行します。

    インストール終了後、確認画面が出ますので、「Close」で終了します。

  3. DeviceInstallerの起動

    アップデート対象のXPortをLANに接続して電源を入れ、インストールしたDeviceInstallerを起動します。DeviceInstallerを起動時に、Windowsセキュリティ・ブロックの警告が出る場合がありますが、その時には「ブロックを解除する」をクリックして下さい。また、起動時にシリアルポートが付いてないPCの場合には以下のような「An Error occurred...」警告が出ますが、OKを押して先に進んでください。

    図のように、左右のウィンドウに表示されている、更新対象のXPortのIPアドレスを確認します。確認したらば、DeviceInstallerを終了します。

ファームウェアの更新

この手順は、バージョンV1.80の古いファームウェアのXPort-03において、V6.1.0.2の新しいファームウェアを導入する手順です。リビジョンがB11のXPort-03は、工場出荷時にV6.1系のファームウェアが導入されていますので、この手順による更新作業は不要です。

以下に展開したV6.1.0.2のzipファイルに含まれる内容を示します。

Windowsでコマンドプロンプトを起動して、以下の手順でtftpコマンドを入力してROMイメージを転送します。WEBマネージャは約185KBの大きさがあるため、搭載すると転送先ブロックから3ブロック分のWebコンテンツ容量を占有するので注意して下さい。V6.1系の新しいファームウェアでのROMの転送先ブロックを示すファイル名としては、XPortの種類によって以下が利用できます。

  • XPort-01用:X1 〜 X4
  • XPort-03用:X2 〜 X5
  • XPort-485用:X3 〜 X6

XPort-03での手順は、次のようになります。(太字が入力部分です)この例で、192.168.51.133は、更新対象のXPortに割り当てたIPアドレスです。

まず、ファームウェアのディレクトリに移動します。

C:\> cd \XPORT\XPort-03_6_1_0_2

最初に更新用ファームウェアを転送します。

C:\XPORT\XPort-03_6_1_0_2>tftp -i 192.168.51.133 put xpt03upg.rom X2
Transfer successful: 65536 bytes in 1 second, 65536 bytes/s
すぐに終わりますが、再起動が環境するまで20 秒間このまま待ちます。その後で、ファームウェアを転送します。
C:\XPORT\XPort-03_6_1_0_2>tftp -i 192.168.51.133 put xpt03_6102.rom X5
Transfer successful: 131072 bytes in 18 seconds, 7281 bytes/s
少し時間がかかりますが、待った後でWEBマネージャを転送します。
C:\XPORT\XPort-03_6_1_0_2>tftp -i 192.168.51.133 put xpt_webm_1301.cob WEB4
Transfer successful: 188558 bytes in 26 seconds, 7252 bytes/s
これも少し時間がかかります。転送終了を確認した後は、XPortをリセットして再起動します。WEBマネージャはWEBコンテンツ領域に転送するので、DeviceInstallerでWEBコンテンツ領域を削除した場合は、再転送が必要です。

参考までに、XPort-01_6.1.0.0を使用した、旧モデルのXPort-01の更新手順の例を以下に示します。

C:\> cd \XPORT\ XPort-01_6.1.0.0
C:\XPORT\ XPort-01_6.1.0.0> tftp -i 192.168.51.133 put xpt01upg.rom X1 
(20秒待ちます)
C:\XPORT\ XPort-01_6.1.0.0> tftp -i 192.168.51.133 put xpt_6100.rom X4 
C:\XPORT\ XPort-01_6.1.0.0> tftp -i 192.168.51.133 put xpt_webm_1302.cob WEB4

DeviceInstallerからの設定

ファームウェアを更新して、XPortをリセットしたらば、再びDeviceInstallerを起動して、XPortのファームウェアを設定します。

  1. DeviceInstallerを起動して、更新したXPort-03のファームウェアのバージョンが表示されるので、確認します。

     
  2. 次にXPortのIPアドレスをクリックして、「デバイスの詳細」タブで表示される情報を確認します。この「デバイスの詳細」タブでは設定が表示されるだけで、項目を設定することはできません。

     
  3. XPortを設定するためには、「Web Configuration」タブから、XPortのhttpポートにアクセスする必要があります。「Web Configuration」タブをクリックして、IPアドレスを確認した後で、「Go」ボタンを押すと、XPortのhttpポートにアクセスします。

     
  4. 最初はログインの「ようこそ」ダイアログが表示されるので「OK」をクリックします。

     
  5. 設定用のWebページが表示されるので、設定内容を確認し、必要があれば設定を行います。

     
  6. 「Telnet設定」タブをクリックすると、telnetによる設定画面になります。WEBマネージャによる設定が利用できない場合に、「接続」ボタンをクリックして、telnetを利用して最低限の設定を行うことができます。

XPortの設定

WEBマネージャの設定画面は、DeviceInstallerの「Web Configuration」タブからでも、一般的なWebブラウザからもアクセス可能です。
  1. ログイン後、左側メニューの「Network」「Server」「Serial Tunnel」「Channel 1」「Email」「Configurable Pins」の項目を選択して設定を実行して、「Apply Settings」で設定を保存します。

     
  2. 以下に、サンプル回路で使用するための、「Configurable Pins」のX設定画面の例を示します。

WEBコンテンツの転送

DeviceInstallerによる、WEBコンテンツを含むcobファイルの転送方法を説明します。

  1. IPアドレスが表示されている状態で「アップグレード」アイコンをクリックすると、「デバイスアップグレードウィザード」が立ち上がります。「次へ>」をクリックします。

     
  2. 次にファームウェアの更新画面が表示されますが、この画面はファームウェアをしない場合は使用しないので、「次へ>」をクリックします。

     
  3. 次の画面ではインストールするファイルの種類を選択します。cobファイルのインストールでは、「COBパーティション内のファイルをインストール」を使用します。
    ★ 「個別ファイルのインストール」は、生イメージのデータをインストールする場合です。
    ★ 「install setup records from a file」は、install用レコードを持っている場合に使用します。
    ★ 「ファイルをコピーまたは置き換えをしないでください」は通常選択しません。

     
  4. 次のパーティションを選択する画面で、インストール先のパーティションを選び(この例の場合では、#3を選択しています)、パーティション設定をクリックして、インストールするCOBファイルを指定し、「パーティション設定」をクリックします。

    この画面でパーティション#4〜#6を選択すると「ファームウェアの更新」でパーティション#4〜#6に転送した、WEBマネージャ領域に上書きしますので、注意して下さい。WEBマネージャを使用する場合には、必ずパーティション#1〜#3を選択します。

    この画面では、パーテクション番号を選択して「パーテクション消去」をクリックすることで、インストール済のパーティション内容を削除することも可能です。


     
  5. インストール先のCOBパーティションを設定すると、インストールするCOBアーカイブを選択するダイアログが開きます。この例ではown.cobを選択していますが、サンプル回路をテストする場合には、ダウンロードして準備しておいたxpt_gpioctl.cobを指定します。COBファイルを選択して「開く」をクリックします。

     
  6. 再びCOBパーティションを選択する画面で、インストール先のパーティション設定を確認して(この例の場合では、#3を選択しています)、「次へ>」をクリックします。

     
  7. 次の画面は同じコンテンツを複数のXPortに転送する場合に使用する、install用レコードを作って保存するかどうかの指定です。「次へ>」をクリックします。

     
  8. 完了画面では、「Succeeded」のメッセージを確認して、閉じます。

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